
美肌の決め手は“皮膚常在菌”だった!?
こんにちは!白石モヨです。
美肌の秘訣だと言われる皮膚常在菌。
皮膚常在菌とは?
私たちの皮膚の表面住む目には見えない無数の菌たち。
弱酸性の環境を好み、
・善玉菌の表皮ブドウ球菌
・悪玉菌の黄色ブドウ球菌
これら3つの菌グループが主に生息しています。
美肌菌と呼ばれるのが表皮ブドウ球菌。
皮脂や汗を分解し、天然の保湿成分を生み出すことで、肌のうるおいやバリア機能を保つ働きがあります。
実際、資生堂の研究でも表皮ブドウ球菌が多いほど角層水分量が多いということがわかっています。
そんな美肌菌を味方につけるべく、多くのブランドで美肌菌を整えるスキンケアが販売されているのは、ご存じの人も多いはず。
・健康で美しい肌には皮膚常在菌が多く存在している
・皮膚常在菌の多様性が乱れが肌荒れに繋がる
・美肌菌ケアで美肌を手に入れよう!
…なんて言われますよね。
では、皮膚常在菌を“増やして”“整える”だけで、本当に美肌に繋がるのでしょうか?
効果的な美肌菌ケアは肌質によって異なる!
皮膚常在菌に関する各社の研究を見ていると、皮膚常在菌の環境は肌状態によって大きくことなり、効果的なケアは肌ごとに異なることが見えてきました。
結論から言うと
乾燥肌は、良い菌を増やして、弱酸性環境を維持する
脂性肌は、菌の全量と皮脂量をコントロールする
そんなお手入れが必要であることが判明!
菌をコントロールって、どうやって!?
そこで今回は各社研究を基に、皮膚常在菌を味方につけるスキンケアについて紐解いていこうと思います。
最後まで読めば、スキンケア上級者になれるよ!
乾燥肌は善玉菌にとって居心地が悪い!?
日本人にとても多い肌悩みが乾燥。
私も乾燥肌で、秋から春の始めにかけて肌のカサカサ感に悩まされます…
悪化すると、乾燥性敏感肌になってしまうことも。
そんな乾燥肌ですが、日本メナードの研究によると「皮膚常在菌の多様性の乱れ」と、菌が好む「弱酸性環境の崩壊」が顕著であることがわかりました。
乾燥肌を見るうえで重要な指標「TEWL」
本題に入る前に、少し寄り道をさせてください。皆さんに、覚えていただきたい用語があります。
それは、TEWL(ティー・イー・ダブリュー・エル)です。
「トゥール」と読む人もいるよ。
これは「肌から蒸発している水分量」を示す数値で、正式には経皮水分蒸散量と呼ばれます。
TEWLの数値が高いほど肌のバリア機能は低下し、潤いが逃げやすい敏感状態であると判断されるとても重要な基準です。
日本メナードが見つけた「乾燥肌の2つの共通点」
日本メナードの研究で、TEWLが高い乾燥肌には皮膚常在菌に関わる以下2つの特徴があることが明らかになりました。
メナードの研究結果
①ニキビの原因として知られるアクネ菌の割合が40%以上と多くなっている
②肌のpHがやや高い

健やかな肌は弱酸性
トラブルのない健康な肌はpH4.0~pH6.0の弱酸性を保つことで、善玉菌である表皮ブドウ球菌が働きやすい環境をキープしています。
このpHは常在菌を語る上で非常に重要な指標!動物や植物ごとにそれぞれ快適な温度があるのと同じく、常在菌にも快適なpHがあります。
今回の研究によれば、TEWLが高い肌は肌のpHが高く、弱酸性を保てていない状態なのだとか。
表皮ブドウ球菌からすれば非常に居心地が悪く、本来の能力を発揮しにくい環境であると言えるでしょう。
その隙をついて勢力を伸ばすのが、悪玉菌である黄色ブドウ球菌。
長いものに巻かれて生きているアクネ菌もそれに乗じて勢力を増やし、ニキビや赤みの原因になっていると考えられます。

引用元:「日本メナード化粧品とファスマック、肌あれと皮膚常在菌の関係を解析~肌の pH を 5.5 以下にすることで皮膚常在菌のバランスが整い、肌あれを防ぐ~ 」
また、セラミドを合成する酵素も弱酸性環境下で最も活発に働くと言われているため、高pH環境になることで更に乾燥状態が悪化する乾燥スパイラルへと陥る可能性も…
つまり、乾燥肌は…
・皮膚常在菌の多様性が乱れ、善玉菌が少なくなっている
・肌表面が高pH状態で、善玉菌が増えにくい環境になっている
↓そのため
・多様性を整え、善玉菌を優位にする
・弱酸性環境を保つこと
これらが重要であるということができます。
脂性肌は菌の数が多すぎる!
続いては脂性肌(オイリー肌)と皮膚常在菌ついてお話しします。
皆さんは、皮膚常在菌たちの“ごはん”が何か知ってますか?
チムチムチップス!
プチウエハー!
それ君たちの好きなおやつだよね?
皮膚常在菌の栄養源は皮脂です。
菌たちは皮脂を分解してグリセリンを作り、自分たちが住みやすい環境を整えています。これが健やかな肌作りにも役立つのですが…
では、皮脂が多ければ多いほど良いのか?というと、そう簡単な話ではありません。
【コーセー】脂性肌は菌が多すぎる?
コーセーの研究によると、肌に存在する菌の数には人によって100倍以上の差があることがわかりました。
さらに、菌数が多い人ほど次の特徴が見られたのです。
- 皮脂が多い
- 赤みが目立つ
- 肌の粗さが目立つ
- 毛穴が多い

えっ、どうしてだろう?
理由はこう考えられています。
①皮脂量が多い
→菌の栄養源が豊富で、どんどん増殖しやすい。
②肌が粗く、毛穴が多い
→菌が隠れやすい場所が多い。洗顔でも落ちにくい。
③赤みがある
→菌が出す代謝物により肌の炎症が起きやすい。
毛穴周辺に炎症が起こるとターンオーバーが乱れ(角化不全)、毛穴周辺がすり鉢状に凹むことがあります。
すると、その凹みに菌が隠れやすくなり、さらに菌が増える…という悪循環に陥る可能性も。
常在菌って、多ければ良いってわけじゃないんだね!
皮脂が分解された時に生成される代謝物の中には、バリア機能を弱める不飽和脂肪酸も含まれています。
そのため、皮脂が多い=菌が多くなりやすい人は、この不飽和脂肪酸の影響も受けやすいと考えられます。
「皮脂が多い」「バリア機能が低下している」状態をインナードライと呼びます。脂っぽいのに肌がつっぱる人はもしかすると菌数が増えているかも?
コーセーは今後、肌状態を評価する上で菌の総数にも注目していくと発表しています。
📍POINTまとめ
・菌数が多い肌ほど、皮脂量・毛穴の多さ・肌の粗さ・赤みが強くなる傾向
・豊富な皮脂をエサに菌が増えすぎている可能性がある
・多すぎる菌は炎症やバリア機能低下の原因にもつながる
敏感肌と皮膚常在菌の関係
実際に資生堂の研究でも、敏感肌の方は菌の多様性が乱れ、表皮ブドウ球菌(善玉菌)が特に少ないことがわかっています。
そのため、敏感肌の赤みケアでは「抗炎症」や「摩擦を減らす」だけでなく、常在菌バランスを整える視点が今後さらに重要になるかもしれません。
日本メナード株式会社プレスリリース(PDF):「アクネ菌が肌の赤みに関与することを発見 日本メナード化粧品と藤田医科大学、肌の赤みと皮膚常在菌との関係を解析」
📍POINTまとめ
・肌の赤みが強い人ほどアクネ菌が多い
・冬はアクネ菌の割合が増加し、赤みが出やすくなる
・赤みには「常在菌フローラの乱れ」が関わっている可能性
・今後は「常在菌ケア」も赤み対策の重要ポイントに
今日からできる!菌を味方にする美肌習慣
健康で美しい肌を育むためには、皮膚常在菌を「敵」として過剰に排除するのではなく「味方」としてサポートする意識が鍵となります。
「弱酸性」を意識するスキンケア
・健康な肌のpH(弱酸性)を保つため、弱酸性の洗顔料や化粧水を選ぶ。
特に皮脂量が少なくアルカリ中和能が低い乾燥肌の人は、洗顔後のアルカリ状態を長くしない工夫が大切です。
📍弱酸性のスキンケアを見分けるコツは?
成分表に「クエン酸」と「クエン酸Na」の2つがセットで配合されていたら、その商品は弱酸性であると判断することができます。

バリア機能を守り、菌の居場所を維持する
・過度な摩擦(洗いすぎ、擦りすぎ)は避ける
肌が動くほどの力でゴシゴシ洗うのは、角質層を物理的に破壊し善玉菌も流してしまうため厳禁!
手首と指を完全に脱力して、表面を撫でるように行うのがプロのやり方です
セラミドやアミノ酸などによる徹底した保湿で、角層の状態を整える。
基本中の基本である保湿。肌のバリア機能をサポートするセラミドやアミノ酸を補うようにします。
この時、注意して欲しいのが保湿とは単純に油分を補うのではないということ。皮脂の多い人はクリームをたっぷり塗るのではなく、みずみずしいテクスチャーのアイテムを使用するようにしましょう。
また、秋冬などの乾燥する時期は加湿器を利用し、肌が乾燥しにくい居室づくりも非常に有効です。
「何しても肌が乾くなら化粧品買う前に加湿器つけて」と長年騒いでる私も象印ユーザー🐘
— モヨ姐 (@Moyo_sec) November 6, 2025
夜のスキンケアが適当でも翌朝までしっとり感が続くのはきっと象印のおかげ。空気が潤う実感あるのもすごい。鼻喉にもいい。日本海側に美肌県が多いのも冬の高湿度が理由と言われるし、やっぱり湿度って重要。 pic.twitter.com/j0tgQVVqXH
スクラブやゴマージュなど、やり過ぎ美容に注意してね!
過剰な皮脂を適度にコントロールする
・皮脂抑制成分をルーティンに取り入れる。
個人的おすすめは医薬部外品として認可されているライスパワーエキスNo.6とビタミンC!ビタミンCは皮脂の酸化を抑制する効果も!肌のキメ・赤み・毛穴にも有効ですので、肌に合うようなら積極的に取り入れてみてくださいね。
・パウダーなどで「皮脂の流動」を抑制する
ミネラルパウダーや皮脂吸着成分を配合した化粧品で、日中の皮脂を物理的に吸着・固定。
肌表面の環境悪化を防ぎ、菌が暴走するのを防ぐことを期待できます。
有名なのは酸化亜鉛だけど、毛穴に詰まるって本当?
クレンジングオイルやバームなど、洗浄力が比較的高いものでクレンジングを行い、必要ならばW洗顔を行えばちゃんと落ちます。過度に心配する必要はないよ。
・皮脂分泌を促す「生活習慣」を徹底的に避ける
これらの習慣は「皮脂が増えやすくなる人がいる」と報告されているもので、全員に当てはまるわけではありません。
思い当たる習慣があるなら、数か月〜半年ほど続けて見直してみると自分の皮脂トリガーが見つかりやすくなるでしょう。
私もニキビ肌を卒業するために、あらゆる面の改善を試みる生活を1年間続けました!心当たりがある人は、無理のない範囲で1年間頑張ってみるのもおすすめです。
美肌菌を味方につける生活習慣
・適度に汗をかく
汗は美肌菌の栄養源になり、弱酸性を保つ心強い味方です。でも、放置は厳禁。
汗をかいた後は優しく拭き取るかシャワーで流すことを習慣にしましょう。
- 蒸発する際、肌の潤いも道連れに。天然保湿因子を流出させ、乾燥の原因になる。
- 汗を放置すると肌は徐々にアルカリ性に傾き、悪玉菌が増加。炎症の原因になることがある。
- 汗の水分でふやけた角層は外部刺激に弱くなり肌荒れを起こすことがある。
シャワーに入れない時は汗拭きシートもおすすめ!
・観葉植物や花に触れる環境は特定の美肌菌を増やすきっかけに。
S.ホミニスに関するポーラの研究によれば、美肌菌を肌に多く持つ人はそうでない人と比べて「家や職場に植物が多くある」「花屋に行く習慣がある」と答えた人の割合が多かったそうです。
S.ホミニスのように肌に良い影響を与える菌は、農場や植物の周辺で多く見られるのだとか。観葉植物を飾ることも、美肌を叶える一つの方法として有効と言えるかもしれませんね。
まとめ
|
肌悩み |
主要な菌の傾向・状態 |
改善のヒント |
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乾燥肌 バリア機能低下 |
弱酸性(pH5.5以下)に保つことが、善玉菌の活動とバリア機能維持に重要。 |
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脂性肌 毛穴・キメの乱れ |
菌の総数が過剰に多い。皮脂を栄養源に菌が爆発的に増加。 |
皮脂の抑制と、菌の隠れ場所となる毛穴周辺の炎症を防ぐことが重要。 |
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赤み 敏感・酒さ |
菌の多様性が低下。特定の菌(レンサ球菌、アクネ菌)が優位になる。 |
皮膚フローラを安定させ、善玉菌が暮らしやすい環境を整える。 |
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エイジング シミシワ |
特定の善玉菌(例:S.ホミニス)が少ない傾向。 |
美肌菌の活動をサポートし、その数を増やすアプローチが有効。 |
肌の健やかさと美しさは、私達の目には見えない常在菌が作り出す「フローラ」の影響を良くも悪くもダイレクトに受けていることがお判りいただけたと思います。
肌悩みによって、常在菌の状態が異なっているなんて意外だったな!
脂性肌は数が多くて、乾燥肌は多様性が低い。同じお手入れでは効果が得にくいんだね。
常在菌の働きと多様性を理解し、その活動をサポートする最新のスキンケアを取り入れることで、昨日より自信が持てる健やかな肌へと近づけるかも知れませんね✨
このブログがあなたの肌作りの一助になれば幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
書いたのはこんな人…
スキンケアブランド元美容部員。
関西と関東の店頭で約2万人をカウンセリング。
フリーのスキンケアカウンセラーとしてtwitterを中心に活動中です。