A反応が出ても、我慢して使い続ければ大丈夫だよね?
レチノールコスメを使い始めた時に
「あれ?肌が赤い…」
「なんだかカサつくような…」
と驚いた経験はありませんか?
あるある!びっくりしちゃうよね。
それらはいわゆるA反応(レチノイド反応)と呼ばれるもの。
赤み・カサつきを始め、皮むけ、ヒリつき、かゆみといった一時的に肌に起こるネガティブな反応のことを指します。
一時的にニキビが悪化した…という経験談も!
これらを好転反応と呼ぶ人もいますが、本当に良い反応なのでしょうか?
軽い刺激感であればスルーして使い続ける人もいるかもしれません。
でも、そのまま使い続けると思いもよらないトラブルに発展する可能性があるってこと、知ってましたか?
今回はレチノールコスメを使う上で絶対にスルーしないで欲しい危険なサインを徹底解説!
ぜひ最後まで読んで、レチノールコスメを安全に楽しく使用するためのメソッドを覚えて帰ってくださいね。
※注意!※
日本市場で広く流通しているレチノール配合コスメを規定通り使用した場合の一般的なA反応と肌トラブルの比較、その対応策となります。クリニック専売品および個人輸入品や、規定外の使用方法をしている場合、肌が極端に敏感状態にある場合、ビタミンA誘導体を含む医薬品などはこの限りではありません。
コスメを安心して使用することを目的としたアドバイスであり、皮膚疾患の治癒を目的としたものではありません。少しでも不安な点があれば皮膚科専門医の診察を受ける、あるいはメーカーに問い合わせるなどのご対応をお願いします。
- A反応が出ても、我慢して使い続ければ大丈夫だよね?
- そもそも、A反応(レチノイド反応)って何?
- A反応と肌トラブルの見分け方と、使用を中断すべきサイン
- 刺激感が現れた時の対処法を知って、美肌マスターに!
- うまく付き合えば、レチノールは心強い味方になれる
そもそも、A反応(レチノイド反応)って何?
まずはA反応について知っておきましょう!
なぜ起こる?A反応のメカニズム
A反応はレチノールコスメを使った際に必ず現れるものではありません。
その違いはどこにあるのでしょうか?
* * *
それは、肌内部のビタミンA量。
私たちの肌(主に表皮)には、もともとビタミンAが「レチニルエステル」という形で貯蔵されています。
外からレチノールを塗布すると、その一部はレチニルエステルに変換されて貯蔵され、また別の一部は「レチナール」を経て最終的に「レチノイン酸」に変換されます。
この「レチノイン酸」が細胞の核内にあるレチノイド受容体と結合し、ターンオーバー促進などの効果を発揮します。
うーん、難しくてよくわかんない!
わかんない!
ここはざっくり理解してくれたら大丈夫だよ!
肌にもともと蓄えられているビタミンAが少ない(レチニルエステルが不足している)状態で、いきなり大勢のレチノールがやってくると、急激な変化に肌細胞は大混乱!
急激に生成されたレチノイン酸による過剰な生理反応が、炎症を引き起こすと考えられ、結果としてA反応が起こりやすくなるとされています。
急増したインバウンド客(レチノール)に対応できず、受け入れ体制(受容体)がパンクしてる日本の現状にちょっと似てるよね。
そ、そうだね!(ちょっとよくわかんないけど、話合わせとくか…)
他にもA反応はこのように説明されることがあります。
1.レチノールの働きによって皮脂が減少したことに起因する肌荒れ
2.肌の代謝が急激に促進され、肌が一時的に薄くなることで敏感状態になる
以上のように、肌にレチノールを塗布したことで生じる肌の生理的反応を、A反応あるいはレチノール反応、レチノイド反応などと呼びます。
今回の記事ではA反応で統一するみたいだよ。よろしくね。

A反応と肌トラブルの見分け方と、使用を中断すべきサイン
A反応の主な症状は、赤み、カサつき、皮むけ、ヒリつき、かゆみなど。
レチノールコスメを使用したあとにそのような症状が出たら「A反応かも?」と思う人がほとんどだと思います。
A反応自体は軽度であれば徐々に落ち着くことがほとんどですが、アレルギー反応の場合はすぐに使用を中止する判断が必要です。
しかしながら、アレルギー反応の時にでる症状もやはり赤み、カサつき、皮むけ、ヒリつき、かゆみが代表的。
えーっ!症状が一緒なら見分けがつかないよ!
そうなの。そこが問題なんだよね。
肌トラブルなのに「これはA反応だ!」と我慢して使い続けていると、炎症が悪化して色素沈着を起こしたり、ただれるように荒れるなど重大な肌トラブルに発展する可能性も無視できません。
次の項目からはA反応と肌トラブルの違い、そしてすぐに使用をやめるべき状態をひとつひとつ解説していきます。
A反応と肌トラブルの違い①刺激を感じ始めるタイミング
A反応の場合:使用開始後、数日から1週間程度
コスメが合っていない場合:肌に塗布した直後から
A反応が数日後から現れるのに対し、何らかの成分に強いアレルギーがある場合や肌自体のバリア機能が極度に弱っている場合、肌に塗った直後から強いヒリヒリ感が生じることがあります。
▶こんな時は使用を中断して!
塗った直後から現れる強いヒリヒリ感は肌からのSOS!
コスメ自体が肌に合っていませんので、我慢せずにすぐに洗い流して使用を中止すること。それでも刺激が残るなら、使用したコスメを持参して早めに皮膚科を受診するようにしてください。
また、バリア機能が弱っていたり、生理前で肌が敏感になっている際にはいつも以上に刺激を感じることがあります。
レチノールコスメに限らず、新しいコスメを試すのは肌と体の調子が万全な時にしてくださいね。
A反応と肌トラブルの違い②刺激が続く長さ
A反応:1週間~長くて1か月程度
コスメが合っていない場合:使用し続けている限り続くことが多い
レチノールコスメを使用し始めてから、A反応が出るまでの期間は一般的に数日から1週間程度と言われています。
正しくスキンケアができていれば、その後1か月程度で治まることがほとんど。
▶こんな時は使用を中断して!
1ヵ月以上経ってもかゆみや赤みなどの症状が改善されない場合、A反応以外の原因で肌トラブルが起きている可能性があります。
何らかの皮膚疾患が発生していることも考えられるので、あまりに長引く場合は使用を中断しましょう。
1か月以上赤みや痒みが続く場合は、A反応じゃないかもしれないんだね。
その可能性が高いね。一旦使用を中止して、低刺激なスキンケアに切替えるのが良いよ。症状が激しい時は皮膚科で相談を!
安易にA反応だと判断せず、不調の原因を様々な目線から探ることを意識してくださいね。
A反応と肌トラブルの違い③刺激が強まるか、弱まるか
A反応:徐々に弱まることが多い
コスメが合っていない場合:強まっていくことが多い
レチノールコスメを使用し始めて数日後、頬に軽いヒリつきが出た場合。
レチノールによるA反応ならば、使用を続けていても徐々に治まっていくケースが多いようです。
先述の通り、レチノールはレチノイド受容体に作用することで肌へ働きかけますが、この受容体は徐々に許容量を増やしていくことができます。
適切に使い続けていれば肌が少しずつレチノールに慣れていき、刺激感が徐々に弱まっていく…という仕組み。
最初は低濃度から使い始めて!と言われるのは、肌に慣れさせるためなんだね。
▶こんな時は使用を中断して!
バリア機能が極端に弱くなっている場合や、レチノール以外の成分が肌に合っていない場合は、使用を続けても慣れていくということはあまり期待できません。
それどころか、使用すればするほど刺激感がどんどん強くなることも…
軽い刺激感であれば様子を見つつ使用することも可能ですが、刺激感が明らかに増しているならば、我慢しないで使用頻度・使用量を減らすか、一旦使用を中止するのをおすすめします。
キーワードは「我慢しない」だね!
そうだね。使用継続を迷うほどの刺激感はためらわずに使用をストップしてほしいな。
※注意※
化粧品メーカーによっては、刺激感が生じた場合は使用を即中断するように定めている会社も少なくありません。使用品の販売元が提示している使用方法をよく読んでから使うようにしましょう!
使用を中断すべきサインまとめ
- 肌に塗布した直後に強い刺激感がある
- 耐え難いほどの刺激感がある
- 刺激感が長く続き、段々強くなる
このブログ内でも度々記載していますが、スキンケアは我慢しながら行うものではありません。
おかしいな、と感じた違和感はあなただけのもの。ほとんどの場合、その違和感はあながち間違ってはいません。
レチノールコスメに限らず、その感覚はぜひとも大切にしてくださいね。
楽しく、安全に。焦らなくても大丈夫だからね。
刺激感が現れた時の対処法を知って、美肌マスターに!
A反応と肌荒れの見分け方と、使用を中止すべきサインを紹介してきましたが、ごく軽い刺激感が出た場合はどのように対処すれば良いのでしょうか?一緒に確認していきましょう!
使用頻度を減らす
A反応のような刺激感が現れたら、まず試してほしいのが使用頻度を落とすことです。
毎日使わないと効果が出ないのでは?と焦る気持ちはとてもよく分かります。
ですが、レチノールは肌にじっくりと働きかける成分。大切なのは、肌に慣らし運転の期間を設けてあげることです。
毎日使いたーい!って思っちゃうよね。でも、毎日使わなくて効果が半減したりしない?
大丈夫!レチノールは少しずつでも肌に働きかけてくれるから。逆に、焦って毎日使用して赤みや痒みが出ると、色素沈着を起こしてなかなか跡が消えないこともあるよ。
もし、毎日レチノールコスメを使っていて刺激感が出た場合は2日に1回、3日に1回…と頻度を下げてみましょう。
そうして肌が落ち着いてきたら、徐々に頻度を増やしていくのがおすすめです。
もし途中で少しでもヒリつきや赤みを感じたら、頻度を上げるのは一旦ストップ!
その頻度を維持するか、一つ前の頻度に戻してみてください。
最終的なゴールは毎日使うことではなく、自分の肌が快適でいられる最適な頻度を見つけることです。
自分の肌のペースに合わせることが、美肌への一番の近道です!
使用量を減らす
使用頻度とあわせて、ぜひ見直してほしいのが使用量。
「たくさん塗れば、その分早く効果が出るはず!」と、つい多めに使いたくなってしまいますよね。
これは逆効果になることも。
使用量が多すぎることが、A反応を引き起こす直接的な原因になっているケースは少なくありません。
お米1粒分だけ塗るようにと言われても、ほんとにそれだけで効果ある~?って思っちゃう!
わかる。そうだよね。でも、レチノールは少量でもしっかり働くパワフルな成分。最初は「少し物足りないかな?」と感じるくらいの量から始めるのが正解だよ。
製品によって推奨量は異なりますが、美容液タイプなら「米粒1粒大」、クリームタイプなら「小さなパール1粒大」が顔全体に塗る量の目安。
特に皮膚が薄い目元や口元は、さらに少なめにするか、避けて塗るのがおすすめ!
使用頻度と使用量の考え方は、初めてレチノールコスメを使用する人にもおすすめのメソッド!ぜひ覚えておいて。
保湿を徹底する
レチノールという攻めのケアを取り入れるなら、守りのケアである保湿は絶対に欠かせません。
この二つは、常にワンセットだと考えてくださいね。
なぜなら、レチノールにはターンオーバーを促進する働きがあるため、肌が一時的に乾燥しやすく、デリケートな状態に傾きやすいからです。
レチノールを使うと乾燥しやすくなるんだ…。だからヒリヒリ感じることがあるのね。
一時的にバリア機能が乱れた肌は、うるおいが逃げやすい状態です。
だからこそ、いつも以上に保湿を徹底することが重要。
肌の土台をしっかり守ってあげることで、レチノールも穏やかに効果を発揮してくれますよ。
ここで重要なことが一つ。
保湿を徹底するとは、何も油分をたっぷりと補うことだけを指すのではありません。
例えば、真夏で汗皮脂が多い時期、皮脂の分泌量が多めな人、油分量が多いスキンケアだと肌荒れしがちな人。
これらの人は、こってりとした使用感のクリームを、無理に使用する必要はありません。乾燥感が強まらないようであれば、さっぱりとしたジェルタイプやオイルカットのものでもOK!
自分に適したテクスチャー(使用感)のものを使用することが大事。
繰り返し述べますが、スキンケアは我慢して行うものではありません。ヌルヌルして重たい、使いにくいと感じたら無理に使用せず、少しさっぱりとしたコスメに切替えましょう。
肌の負担になる要因を取り除く
肌への刺激感は何もレチノールコスメだけが原因とは限りません。
他に併用しているコスメや、日頃のスキンケア方法、生活習慣が肌に負担をかけてしまってることも。
その負担が結果として、刺激感を更に悪化させてしまっている可能性があります。
綺麗になりたくて頑張っているのに、悪化させちゃうのは残念だなぁ…
そうだね。だからこそ、肌荒れの原因は多角的な目線で判断する必要があるよ。
私のこれまでの接客経験からするに、肌荒れの原因はコスメの使い方、スキンケアの仕方、日頃の生活習慣から来るものが多数。
特にレチノールコスメを使う際は、こんなことに気を付けておきましょう。
- ピーリングやゴマージュ、ふき取り化粧水など、刺激となりうるコスメの使用を一時的にやめる
- 洗顔およびクレンジング時の摩擦は徹底的に避ける(角栓が詰まりやすい眉間、小鼻、顎下は撫でるように洗う)
- 過度な日光は避ける。日焼け止めを塗り、日傘や帽子を適宜使用する。
- 体調不良、季節の変わり目(特に花粉の季節)、生理前後など肌が敏感になりやすい時期は使用を避ける
うまく付き合えば、レチノールは心強い味方になれる
以前、SNSで人気の通販専売ブランドのレチノールクリームを購入し、夫と一緒に使用したことがありました。
私はニキビ治療で何度かビタミンAが配合されている医薬品を使用したり、クリニック専売品のレチノールコスメを使用したことがあったためか、A反応は全く出ませんでした。
でも、レチノール初体験だった夫は使用から数日後「額が痒くてたまらない」と言い出したのです。
ありゃりゃ~…
すぐに使用を中断し、敏感肌向けのシンプルなスキンケアに切替えたところすぐに落ち着きましたが、どうやら落ちてくる前髪が額をチクチクと刺激し、肌の一部が敏感状態になっていたようでした。
でも、これってコスメ自体が悪いのではありません。
初めての使用なのにいきなり高濃度を使用したこと(夫、ごめんよー)、そこにたまたまバリア機能が弱まっている部位が存在し、レチノールの刺激感が強く出てしまったことによるものでした。
コスメは何を使うか、どう使うかが大事。また、肌を取り巻く環境も大きく影響してくるということを実感する出来事でした!
その後はピュアレチノールではなく、ドラッグストアで販売しているレチノール誘導体で比較的緩やかに作用する美容液を購入。
毎日安定して使うことができました。
よかったよかった!
誰かの肌で素晴らしい効果を発揮したコスメが、自分の肌にも同じように作用するとは限りません。
夫の例のように、その日の体調やほんの少しの刺激が、肌の反応を大きく左右することもあります。
この記事でお伝えしてきたA反応と肌トラブルの見分け方、そして刺激を感じた時の対処法は、いわば安全にレチノールと付き合うための交通ルールのようなもの。
赤信号(強い刺激)では無理せず止まって、青信号(快適な状態)で進む、みたいな感じかな?
大事なのは、自分の肌のペースで使うこと。
SNSで話題の商品を使いこなせなくてもいいし、使って赤くなったら休めばOK。
あなたの肌と相談しながら、一緒に心地よいスキンケアを育てていくことが大切です。
どうか焦らず、ご自身の肌の声を一番に聞きながら、あなたにぴったりのレチノールとの付き合い方を見つけていってくださいね!
焦らず、楽しく、自分だけの美肌道を歩んでいこうね!
そうだね。我慢しない、焦らない!でも、諦めない!
書いたのはこんな人…
スキンケアブランド元美容部員。
関西と関東の店頭で約2万人をカウンセリング。
フリーのスキンケアカウンセラーとしてtwitterを中心に活動中です。